楽天岡島豪郎外野手(28)が3日、沖縄・久米島で行われている1軍キャンプで、入団時にプレーしていた捕手でブルペンに入った。梨田昌孝監督(64)発案の「第3捕手」構想に基づく、有事に備えた準備。マスクをかぶり辛島航投手(27)の投球を80球ほど受けた。現在は外野の岡島が捕手を兼務することで戦術の幅が広がる。5年ぶりの日本一を奪還するための、意欲的な作戦だ。

 備えあれば憂いなし-。キャッチャーミットを持ってブルペンに向かった元捕手の岡島が、辛島の投球を受け止めた。昨年の秋季キャンプ以来のマスクとなったが、無難にこなした。「辛島は球が速くないけど、だいぶ速く感じて怖かった」と苦笑いしつつ「自分が捕手として出るのは最悪な状況。マスクはかぶりたくないけど、準備はしておく」と前を向いた。

 岡島の第3捕手が実現すれば、戦術面で幅が広がる。28人の登録中、捕手1枚を投手に回すことができる。また、試合終盤には捕手にも代打が送れるようになり、その際は外野の岡島が次の回から捕手に入る。梨田監督は「岡島はもともと捕手をやっているし、保険ということ。快く引き受けてくれた」と託した理由を説明した。

 ただ、投げ手の辛島は“辛口”だった。「パスっとミットが鳴るだけで音が悪い。本来ならパーンと鳴らないと」と厳しめの採点をした。元捕手の梨田監督も、岡島にミットの助言を与えた。13年から本格的に外野手へ転向した岡島が捕手での公式戦出場となると、1試合だけ捕手で出場した14年以来4年ぶり。開幕までに、兼業捕手として完成させる。

 今季は銀次から引き継ぎ、チーム8代目の選手会長に就任した。責任は人一倍で、周りからは「会長」と呼ばれる。「絶対優勝しないといけない。チームのためなら、どこでもやります!」。第3捕手に加え、選手会長も任される万能男が、攻守に躍動してみせる。【高橋洋平】