松坂よ、焦るな-。中日森繁和監督(63)がインタビューに応じ、自ら獲得を望んだ松坂大輔投手(37=前ソフトバンク)の起用法に言及した。近年苦しめられた右肩に配慮し、開幕にこだわらせない、1カ月に1度の登板で十分など「特別枠」での先発構想を明かした。6年ぶりAクラスへのカギになる若手投手陣への好影響も期待。就任2年目の戦力にも一定の手応えを感じている。【聞き手・柏原誠】

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 -チームの完成度は

 森監督 去年を見ているだけに、ある程度な。計算するメンバーが変わってきた。投手では小笠原、柳、笠原、鈴木翔がある程度まで来ている。この4人と又吉、大野雄、外国人2人でもう8人。そこに山井、吉見、松坂。ベテランにローテを守れとは言わない。

 -松坂は順調にキャンプを過ごした

 森監督 俺は(1月23日に)テストをやったときにそう思っていたよ。そのあとみんなの前で投球して「ここまで回復しているのか」となった。それなら今の中日に必要な、観客動員とか、お客さんの目を引きつけられる。選手の顔の色が変わってくる可能性もあるから、球団に頼んで取ってもらったんだ。

 -実際に好影響が

 森監督 俺はそう見ているよ。周りも球団も分かってくれているんじゃないの。松坂に聞いた言葉に若い選手が反応したりして。結果が出たら、もっといい方に行ってくれる可能性が十分にある。

 -まだ復活を疑う見方もある

 森監督 疑って当然。3年間投げてないんだもん。ソフトバンクでは投げて失敗した。それがなぜかって考えないと。そんなにいい状態じゃないのに投げた。そんな状態を作らせないようにする。順調にきているなら、今の順調さを保つのが優先。その中で1歩でも2歩でもステップしていかないとゲームに進めない。だからって焦る必要はない。開幕に合わせる必要はないよ。俺は4月後半でも5月でもいいと思っている。

 -1カ月に1回でも

 森監督 もちろんそう。ほかの先発がみんなよければなかなか出番がなくなるが、そうは簡単にはいかないだろう。谷間ができたときに、松坂を投げさせて、登録を外して、と。当然ありえる。

 -今後の登板予定は

 森監督 いついつに投げろとは言わない。このへんと言って、じゃあこのへんに合わせます、くらい。投げ終わって何もなければ次はこのへん、と。本人が決めること。

 -開幕は照準ではない

 森監督 その必要はない。年間20試合投げろとは言っていない。早い話、4月に1回、5月に1回でもいい。投げられる状態をずっと保っていけば。そこで勝ちがつけば、また次にとなる。負けても今度は勝つだろうと応援に来てくれるだろうし。

 -普通に勝てそうなところまで来ているのか

 森監督 普通に勝てるとは思っていないよ。先発は5回投げないと勝ちがつかないから。5回を投げる体調にならないと使う気はないよ。