オープン戦7位の日本ハムは今日23日から、本拠地の札幌ドームでヤクルトとの3連戦に臨む。消化試合数が少ないながら、20本塁打は12球団単独トップに立つ。「(打線の)形は開幕してから。毎日変わるから」と強調する栗山英樹監督(56)だが、2018年版ビッグバン打線は、なかなかの重量級に仕上がった。オープン戦も残りわずか。開幕へ向け、最終テストの3番勝負が始まる。

 休養日となった22日。日本ハム栗山監督は「チームを大きく変えようとしている。頭の中を整理して、どんな状況でも対応できる形を作っておかないと」と、1週間後に迫った開幕へ思いをめぐらせていた。

 近年にはないほど悩んでいるのが、シーズンを通した戦い方。オープン戦12試合で、はっきりとしたこだわりは1番西川の起用法だ。チーム内で「唯一無二」と認めるスピードを生かすことを念頭に、日替わりで打線を組み立ててきた。2番につなぎ役も可能な松本、3番に“4割男”近藤、4番は和製大砲の中田と、期待を持たせる打線ができた。

 試行錯誤の中、オープン戦で12球団単独トップに立ったのが本塁打数。5本塁打のレアードを筆頭に12試合で20本塁打を積み上げた。中でも、新ビッグバン打線のカギとなりそうなのが大卒3年目で初の開幕スタメンも見えてきた横尾だ。外国人選手並みのフルスイングで、チーム内ではレアードに次ぐ3本塁打。栗山監督は「長距離打者をどうやって分散したら、相手が一番嫌なのか」。10日DeNA戦(鎌ケ谷)や前回20日巨人戦(東京ドーム)では7番に置き、下位打線に威圧感を持たせた。

 “おにぎり君”の愛称がすっかり定着した24歳は「入団1年目は中田さんやレアードにはかなわないと思っていたけど、いつか追い付ける、追い越せると思えるようになってきた」と、自信を深めている。一昨年に続き、昨季開幕戦は代打での出場に終わっただけに「今季はスタメンに定着して4打席で勝負する打者になりたい。将来的には4番を打ちたいけど、今は7番くらいがしっくりくる」と、ツープラトンの一角を狙う。

 ヤクルトとのオープン戦が終われば、いよいよ開幕戦。投打の軸だった大谷(エンゼルス)が抜けた大変革期を、いかに乗り越えるか。シーズン前の最終テストが、始まる。【中島宙恵】