ソフトバンク工藤公康監督(54)が、立て直しを誓った。オープン戦最終戦の広島戦は逆転負けし、16試合で5勝10敗1分け。オープン戦順位はパ球団では最下位の10位となった。オープン戦負け越しは06年以来、12年ぶり。勝敗は度外視とはいえ、故障者が続出し苦しい戦いが続いた。連覇を狙う開幕まであと4日。嘆いている時間はない。

 昨年のセ王者広島相手に3連勝締めとはいかなかった。失策がからみ不運な面もあったが、先発中田が5回4失点で逆転負け。先発陣が最後までピリッとせずオープン戦を終えた。工藤監督は「投手は結果が出ていない。そこは立て直しができるように。しっかり強い意識を持って自分の投球を見つめ直すというところはやってもらおうかなと思う。リリーフは心配ない」と、先発陣の奮起を期待した。

 開幕投手の千賀が右上腕の張りを訴えている。左肩痛の和田は復帰時期が不透明。さらに、キャンプ中には高谷、栗原と捕手陣が故障した。本番モードと位置づけた最後の広島3連戦だったが、ウイルス性胃腸炎の今宮、臀部(でんぶ)故障の中村晃がともに欠場。ベストオーダーが組めなかった。工藤監督は「開幕までにはある程度みんなそろうかな」と話したが「なかなか(ケガを)未然に防げない。もうちょっと調整もうまくアドバイスしてあげればと思うこともある。自分自身、振り返るとあの時のあれなのかなと後悔するところはある」と、苦しい表情だ。監督就任後、コンディションづくり、ケガ防止を最重要視してきただけに故障者続出の現状を反省した。

 49年ぶりの8連敗を含む10敗を喫したことは、気にもとめていない。工藤監督は「試して、試してだった。打たれた投手は今はもうここにはいない」と、1軍へのチャンスを生かし切れなかった選手たちの結果で、主力が招いた結果ではないと考えている。その中で甲斐が独り立ちしようと経験を積むなどプラス面もある。工藤監督は「(開幕までに)後悔しないように、やり残しのないように」と選手たちを信じる。仕切り直して、シーズンへ。開幕まで待ったなしだ。【石橋隆雄】