ソフトバンク武田翔太投手(25)が自身初の2試合連続完封で今季2勝目を挙げた。清宮を3打数無安打2三振に斬るなど、被安打2のほぼ完璧な投球でチームの連敗を2で止めた。「タカガールデー」でピンクに染まったヤフオクドームを黄色い声援でいっぱいにした。

 武田はマウンドで笑っていた。9回2死でも、まだ余力があった。ニヤリと笑いながら最後の打者、大田を右飛に打ち取った。被安打2だけで、スコアボードに「0」を9つ並べると、今度は満面のスマイルで歓喜の輪に入った。

 武田 ボールも低めに集まっていた。いい形でいけたかな、と思います。(完封は)気持ちいいな。疲れるけど。

 以前は投球中に足がつり、降板というケースが多かった。対策の1つとして、前回完封した5日オリックス戦の前にスパイクを新調。「足の形に合わせて作ってくれる。それでちょっと疲れにくくなった」と127球の熱投に、自身初の2試合連続完封につなげた。

 日本ハム清宮も完璧に抑え込んだ。2打席目は全5球直球で空振り三振に仕留めた。3打席目は変化球を交え、再び空振り三振に。この日の3打数無安打で、ソフトバンク投手陣としても、今回の3連戦で注目ルーキーを11打数無安打に封じ込めた。貫禄を見せつけた武田は「よく振れてますよね。伸びしろがすごいな、と思いますね。まだ慣れてないところもあると思うので、これから練習して、もうひと化けするんじゃないですか」と高い素質を認めつつ、今後ライバルとして対決するだけに、警戒を緩めるそぶりを見せなかった。

 ソフトバンク投手の2試合連続完封は、11年5月の杉内以来。工藤監督が就任して以降は初めてだ。チームの連敗を2で止め、今季2勝目を挙げた武田について、工藤監督は「明日(14日)は移動日なので、2日間、リリーフは休める。6連戦の続く前に、最後まで投げてくれたのは大きい」と、目を細めた。今季からエースナンバー「18」を背負う右腕が、大黒柱になりつつある。【山本大地】

 ▼ソフトバンク武田が5日のオリックス戦についで自己初の2試合連続の完封勝利。武田の完封勝利は通算6度目だが、シーズン2度も初めて。ソフトバンク投手の2試合連続完封勝利は、11年5月14日西武戦、21日阪神戦の杉内(現巨人)以来。