巨人のドラフト1位鍬原拓也投手(22)がプロ初登板初先発を5回2安打6四死球7奪三振3失点とし、プロ初勝利はならなかった。捕手も同3位大城で、球団でルーキーバッテリーは98年10月2日広島戦の平松投手、小田捕手のコンビ以来となった。

 初回は緊張感が漂い、先頭西川に最速150キロをマークするもストレートの四球。だが2番大田の初球に146キロ直球で中飛に打ち取ると、近藤、中田のクリーンアップも抑えて0点で船出した。

 2回も先頭レアードに四球を与えたが、鶴岡をスプリット、杉谷、中島を武器のシンカーで3者連続空振り三振に切った。

 3回にプロの洗礼を味わった。1死後、西川に二塁打を許し、大田に死球、近藤に四球で満塁のピンチを迎える。中田に同点犠飛を打たれ、レアードに甘く入ったスライダーを左翼線2点適時二塁打で3失点した。

 だが4回から粘りの投球を展開。先頭杉谷に死球を与えるが、西川を144キロ内角直球で三飛に抑え、ピンチを切り抜けた。

 5回も中田からスプリットで見逃し三振を奪うなどゼロを並べた。裏の攻撃で代打を送られ降板した。

 デビュー戦を終え「悔しいです。想像以上に緊張しました。ファンの方の声援は聞こえましたし、うれしかったですが、申し訳ないという気持ちです。いい球と悪い球がはっきりしていた。無駄なフォアボールが失点に絡んでしまった。次チャンスをもらえたら修正して臨みたい」と振り返った。女手一つで支えてくれた母佐代子さんはスタンドで観戦。鍬原は母へ「東京ドームで投げている姿を見せられてよかった。いつかウイニングボールを渡したいです」と白星を誓った。