オリックス山岡は、6回4安打1失点と、巨人打線を最少失点に抑えた。2回、先頭岡本に左翼越えの先制ソロを被弾。巨人田口よりも先に得点を与えてしまったが、失点はこの1点だけだった。6回は1死一、二塁から陽岱鋼を直球で二塁併殺で中継ぎにバトンタッチ。3回、5回、6回と得点圏に走者を置いたが、150キロに迫る直球と、多彩な変化球で要所を締めた。

 「走者を出しながらでしたが、なんとか最少失点で粘ることはできた。(本塁打を被弾した)あの1球ですね。本塁打をずっと打たれているんで何とかしないと」。

 負の連鎖が続いていた。4月22日楽天戦で今季2勝目を挙げてから、この試合まで5戦4敗。5月には山岡が先発した土曜日にチームも3週連続で完封負けと、無援地獄にも泣かされていた。「自分らしくというのがテーマ。簡単に言ったらメンタル面です」。そう言って上がったマウンドだった。

 プロの舞台で実現した田口との投げ合い。「あまり意識はしていなかった」と冷静に話したが、好投する田口と競うように山岡の投球が研ぎ澄まされていったということは事実。再び延長引き分けか、という試合だったが「さすがにそれは…」と笑った。また勝ち星を手にできなかったが「いい投球を続けていれば付いてくると思う」。5年ぶりの投げ合いが、ターニングポイントになる可能性はある。【桝井聡】