日本ハムが自滅で、今季4度目のサヨナラ負けを喫した。広島1回戦(マツダ)はミスが勝敗を分けた。1点リードの最終9回。抑えのトンキンが、我を失った。先頭の丸へ四球を与え、続く鈴木は投ゴロ。一塁側へ飛んだボテボテのゴロを捕球し、一塁へ転送したが悪送球(記録は失策)。守護神は「指に引っかかった。リズムが崩れた」。1死二、三塁とピンチを拡大され、最後は野間に逆転サヨナラ打を中前へ運ばれた。来日初黒星となったクローザーは、視線を落としてグラウンドを引き揚げた。

 試合の主導権も、ミスで失った。3点リードの5回1死の守備。野間の二ゴロを二塁手・石井一が一塁へ悪送球(記録は失策)。快調に無失点投球を続けていた上沢のリズムが崩れ、この回に2点を返された。石井一は「やってはいけないことです」と、試合後も自らを戒めた。初回の攻撃では相手守備の乱れから3得点。序盤はミスにつけ込んで奪った試合の主導権も、ミスから失って手痛い黒星という結果だけが残った。

 好調な今季は、昨季から失策数が大幅に減少。5月終了時でチーム16失策は12球団最少。昨季の同時期はリーグワーストの34失策だった。伝統的な堅守も上位を争う一因となっているが、3日中日戦に続く2失策で2連敗。栗山監督は「監督の指導が悪い。みんな、一生懸命やっているので」と、誰も責めなかった。パ・リーグでは戦うことの少ない内野が天然芝のマツダスタジアム。この日の教訓を生かすリベンジの舞台は、まだ2試合残っている。【木下大輔】