広島大瀬良がバンザイした。2点リードの3回2死一、二塁、中堅丸がライナー性の打球を好捕した。「正直ヒットと思った。野手が守りで盛り上げてくれたので強気で攻めていけた」。3回まで被安打3と不安定だったが、この好守を境に4回以降は被安打1。7回4安打無失点で自己最長の7連勝、両リーグトップの勝ち星を9に伸ばした。

 5月に4戦4勝で月間MVPに輝き、6月も好調を持続。炭水化物の大量摂取でスタミナを備蓄している。「登板3日前くらいからご飯を多めに食べてます」。多い時は1食2合。そのおかげか体力面の不安はなく「体は大丈夫です」と頼もしい。今季からの2段モーションの緩和も追い風で「僕にとって大きい。体重をしっかり乗せて球に伝えられる」。投球動作に入るとき左手を大きく使うフォームに改善し、力強い球を投げ込んでいる。

 自己最多の10勝に王手をかけ、交流戦であと1試合登板を予定する。交流戦期間中の2桁白星は過去07年巨人高橋尚、08年の広島ルイスと楽天岩隈だけ。「また次のマウンドでも頑張りたい。どんどん信頼してもらえるように」。ハイペースにも謙虚さは変わらず、着実に白星を重ねる。【大池和幸】