復帰祝いじゃ!広島クリス・ジョンソン投手(33)が「日本生命セ・パ交流戦」の楽天2回戦(マツダスタジアム)で7回6安打1失点で4勝目。夫人の第1子出産立ち会いのため米国へ一時帰国し、5月17日以来の先発となったが安定した投球で勝利に導いた。チームは貯金が再び2桁の10に。交流戦の勝率も5割となった。広島投手陣の乱調が目立つ中、先発の柱の頼れる左腕が帰ってきた。

 楽天則本との投げ合いに、ジョンソンは1歩も引かなかった。際どい判定で四球を出しても、先頭打者を追い込みながら投げミスで死球を与えても冷静。0-0の7回に1死満塁からスクイズで均衡を破られても、最少失点でしのいだ。5月17日以来のマウンド。米国に一時帰国していたが、復帰後初先発で7回6安打1失点の好投。逆転勝利への流れを築いた。

 「2週間ほど帰国して、間が空いていて久しぶりの登板だったけど、自分の思うようにストライクが取れて、振らすことができて、球数も減らすことができて、いい内容の投球ができたと思います」

 5月19日に夫人の出産立ち会いのためチームを離れた。許可してくれたチームに応えるため、米国でも捕手を座らせた投球やシート形式の投球も行ってきたという。同30日に再来日し、翌6月1日には畝投手コーチの前でブルペン投球。本人は即実戦登板を志願したが、首脳陣が時差ぼけによる影響を考慮し、1度2軍での調整登板を挟んだ。

 迎えた23日ぶりの先発。6回まで三塁すら踏ませず、失点は7回1死満塁からスクイズで許した1点のみに抑えた。5月11日以来の今季4勝目。「体の状態もいいですし、自分が思うように投げられたので良かった。しっかりとブルペンなどで調整してきたことが実ったのかなと思います」と胸を張った。第1子となる長女を授かり、畝投手コーチは「普段の表情がどこか優しくなったような気がする」と話すが、マウンド上でも判定や不運な当たり、守備のミスにもイライラせずに冷静さを貫いた。

 交流戦では投手陣の乱調が失速の要因となり、特に先発がクオリティースタート(投球回6以上、自責3以下)を記録したのは大瀬良の2度のみだった。復帰戦での安定した投球に緒方監督も「もちろん、やってくれないと」と柱として期待を寄せる。頼れる左腕とともに、広島の貯金が2桁、交流戦の勝率も5割に復活した。【前原淳】