ソフトバンク中田が古巣中日から白星を挙げ、今季4勝、通算99勝目をマークした。「暴れ馬」と呼ばれた中日時代とは対照的に、冷静かつ大胆に相手打線を攻めた。

 「チームが連敗していたので、何とかチームが勝つようにと思って投げた」。6回途中まで投げ、1失点。7被安打も要所は締めた。5回、代打モヤに適時打を許したが、その後の2死満塁では平田をフォークで三ゴロに仕留めた。

 「1球1球ですね。得点圏に走者を置いて丁寧に投げました」。5月31日の阪神戦(甲子園)に続き、交流戦で連勝。だが、喜びよりも先発投手としての責任を感じている。「序盤に点を取ってもらったので、もう少し長いイニングを投げたかった」。今の先発陣の中では摂津と並ぶ最年長。先月11日で36歳になった。今季は中継ぎも経験し、ブルペンの苦しさも理解している。強気の攻めも忘れていない。テーマはいかに内角を攻められるか。2回、先頭のビシエドには内角の直球で空振り三振。スライダー、フォークを織り交ぜ計7三振を奪った。

 100勝に王手をかけた。昨年9月に生まれた長男は生後8カ月の先月、つかまり立ちができるようになった。日々成長する息子を見ながら、自身の活躍を胸に誓う。「僕は生後10カ月過ぎにようやく立てるようになったから、息子の方が早いですね」と、新米パパは目尻を下げた。順調に行けば来週の日曜日(17日)、メモリアルの1勝を手にする。「父の日」に頼もしいパパの姿を披露する。【佐竹英治】