首位攻防を完投で制する。西武は3日、1ゲーム差と迫る2位日本ハムと敵地で激突する。前半戦最後の直接対決。変則2連戦に連敗すれば、開幕から守ってきた首位の座を手放す。正念場を前に、西口文也投手コーチ(45)は「先発が完投してくれたら、ありがたい。最低でも7回は投げて欲しい」と望んだ。現役通算54完投、96年には12球団最多13完投のコーチが“完投指令”を出した。

 背景には苦しい台所事情がある。投手陣は直近4試合で計42失点と打ち込まれた。内訳は先発19失点、リリーフ23失点。先発が招いた悪い流れがブルペンにも及んでいると言える。初戦先発の十亀は「長いイニングを投げないと。中継ぎの人たちが1試合でも多く休めるように」と気合を入れた。今季は7回0/3が最長。15年が最後となっている完投にも「常々したいと思っている」と意欲を示した。

 完投には無駄な四球を出さないことが鉄則。「ストライク先行で攻めるところは攻めて、メリハリをつける」と誓った。もう1点、水分補給を挙げた。「札幌は暑くないけど、ドームは乾燥に注意したい。足をつって交代は嫌なので」。この日の練習では、気温30度を超える炎天下の西武第2で汗だくになった。試合は涼しい札幌。体調面の心配は減ると思いきや違った。乾燥から水分が失われても、暑くないため、気付きにくい落とし穴がある。油断なく、初戦で流れをつくる。【古川真弥】