セ・リーグの本塁打キングを争うヤクルトの「バレ・ヤマ」砲にアベックアーチが飛びだし今季2度目の7連勝を決めた。まずはウラディミール・バレンティン外野手(34)が2回に24号先制ソロで単独トップに立つと、8回には山田哲人内野手(26)が24号ソロで再び並んだ。連勝中は合計9発18打点と絶好調の2人が、チームを6月29日以来の勝率5割に導いた。

 本塁打王を争う千両役者2人の放物線に、神宮のヤクルトファンが総立ちになった。2回にバレンティンが阪神小野の低めのスライダーを左翼席へ。「うまく拾うことができた」と自画自賛の1発で、本塁打争いの単独トップに浮上。そこから6イニング後の8回、山田哲が「フルスイングしていこうと思っていた」とダメ押しの24号ソロを決めて再び肩を並べた。

 体格もプレースタイルも全く違う2人。だが、目指すべきところは「勝利至上主義」で一致している。

 バレンティンは「2人とも本塁打を打つことで、勝つチャンスが増える。多くの本塁打を打つことは光栄だけど、争っている気持ちは一切ないよ」と、最強タッグでの白星量産しか頭にない。山田哲も「ココ(バレンティン)と争うとか全然思わない。みんなで打ってチームが勝てればいい」とうなずいた。7連勝中はバレンティンが3本塁打で8打点を稼げば、山田哲も6発で10打点。両者の競演で今季2度目の7連勝にたどり着き、小川監督も「2人が機能すると得点が良い形で入る」と目を細めた。

 2人がど真ん中に座る打線に投手陣の熱投が絡み合い、約1カ月ぶりに借金を完済した。前回の勝率5割達成後は8連敗を喫し、上昇気流に乗り損ねた。山田哲が「これから貯金を増やしていければ」と言えば、バレンティンも「みんながいい野球をしている。目標は広島に追いつくこと」。今度こそ、つかんだ勢いは手放さない。【浜本卓也】