夏恒例の長期ロード初戦、金本阪神がヤクルトに完敗した。右足腓骨(ひこつ)骨折が癒えていない糸井嘉男外野手(36)が2試合ぶりに4番でスタメン復帰したものの、5番ウィリン・ロサリオ内野手(29)が大ブレーキ…。序盤のチャンスでヤクルト・カラシティーを崩せなかった。首位広島とは今季最大の12ゲーム差となり、今日28日にも自力Vの可能性が消滅する。

 阪神は投打の歯車がかみ合わず、痛恨の黒星を喫した。敗戦直後、ロサリオが神宮の三塁側フェンス沿いを歩くと虎党の痛烈な罵声を浴びる。「打てや、打てや、コラッ!!」。またも「右腕アレルギー」を露呈してしまった。1回2死一、二塁の先制機。ヤクルト先発カラシティーの外角カットボールに当てるのが精いっぱい。ボテボテの一ゴロに倒れてしまった。

 ポイントゲッターになるはずが機能しない。3回は同点に追いつき、なお無死満塁の場面で打席に入った。しかし、外角カットボールを引っ掛けたゴロは遊撃正面へ。勝ち越しの打点こそ挙げたが、一気に攻め落としたい場面で気合が空回りした。R砲も「タイミングが遅いと思ったので後の打席はそのへんを修正しようと思った」と振り返る。5回2死一、二塁も三ゴロ。3度の得点圏で凡退し、主軸の役割を果たせなかった。

 後半戦のキーマンとして期待されていた。21、22日のDeNA戦で左腕から3本塁打を放ち、量産モードに入っていた。それでも金本監督は「右投手のスライダー系」を課題に挙げており、懸念は的中。指揮官も「それに、やっぱり意識が強い。だから、真っすぐにも差し込まれているし。まだ迷いがあるのかな」と首をかしげた。7月中旬の1軍再昇格後、右投手に14打数2安打。現在は11打数連続無安打中で、打率1割4分3厘と沈む。

 金本監督は「あと1本やね、やっぱり。ヒットは出ているけどチャンスでの1本が遠い」と嘆く。長期ロード初戦を落として連敗。首位広島と12ゲーム差に広がり、今季最多タイの借金7。今日28日にも自力優勝の可能性が消滅する危機を迎えた。【酒井俊作】