アクシデントを、西武リリーフ陣が束になって救い、8年ぶりのマジックを点灯させた。

4-1の3回、快調に飛ばしていたウルフがソフトバンク先頭明石のライナーを右太ももに受けた。うずくまり、動けない。治療でベンチに下がったが、投球を断念。突然、声がかかった武隈は「何も考えず、打者1人1人を抑えるだけ」。左腕は落ち着いていた。1死一、二塁としたが、福田を二ゴロ併殺で切り抜けた。

その武隈が4回に招いた1死満塁は、増田が1球で片付けた。松田宣を外に逃げるスライダーで二ゴロ併殺。「チームが勝っていたので、自分の役割をやるだけ。準備はできてました」。今季初勝利を手にしても、淡々と振り返った。6回からは、小川。7月に金銭トレードで中日から移った左腕は、8回先頭までの7人を完璧に封じた。移籍後、初めてイニングをまたいだが「なんとか抑えて後ろにつなごうと。中日を離れ、僕の野球人生は1回、終わっている。今日は当たって砕けろです」と、がむしゃらに突き進んだ。

さらに平井、相内で無失点リレーを完成。野田、マーティンら勝ちパターンの登板過多を防いだ。辻監督は「苦しい中、よく投げてくれた」と、全員をねぎらった。【古川真弥】