今度は世界だ! 広島会沢翼捕手(30)が10日、「2018日米野球」(11月9日開幕)に出場する侍ジャパンに選出された。15年欧州代表戦以来の選出に、世界的名捕手や元チームメートの同学年前田健太(ドジャース)との対戦を切望した。今季広島のセ界制覇に大きく貢献した扇の要が再び世界の舞台に立つ。広島からはすでに発表されていた菊池涼介内野手(28)に加え、新たに大瀬良大地投手(27)、田中広輔内野手(29)も選出された。

3連覇のチームを攻守にけん引した広島会沢が、再び日の丸を背負う。長いペナントレースを戦い、体は満身創痍(そうい)。この先もクライマックスシリーズ、そして日本シリーズを戦い抜くつもりでいる。それでも15年欧州代表戦以来の侍選出に、首を横に振ることはできなかった。

「日の丸を背負うということは、光栄な部分が大きい。(球を)受けたことがない投手が大半なので、経験値を上げられたら」

今回は若い投手が多く選出され、捕手では最年長。前回選出時とは立場が異なる。自身も3連覇したチームの正捕手となり、今季は球団捕手のシーズン最多本塁打記録を塗り替えるなど、リーグを代表する捕手となった。

侍で西武森とともに強打の捕手競演を果たすが、世界に名をとどろかせる名捕手との対戦を心待ちにする。メジャー代表として先行発表されているヤディアー・モリーナ(カージナルス)だ。17年WBCではプエルトリコの準優勝に貢献し、大会最優秀捕手賞を受賞した米大リーグ屈指の名捕手。会沢も「やっぱりすごいし、見てみたい」と羨望(せんぼう)のまなざしを向ける。

球友との再会も熱望する。同じ06年高校生ドラフトで指名され、広島に入団した同い年のドジャース前田だ。シーズン中に米大リーグサイトで日米野球選出を熱望していただけに、選出される可能性はある。シーズンオフには、用具メーカーのアンバサダーズミーティングで会うことはあっても、グラウンドでの再会は特別。「真剣勝負をしてみたいし、グラウンドで話もしてみたい。対戦できたら」と笑う。

広島はすでにCSファイナルステージへ向けて調整を進めている。「しっかり準備して臨みたい」。世界の猛者と対戦する前に、昨年味わった悔しさを晴らし、日本の頂点に立つつもりでいる。【前原淳】