突破へ、衝撃の1発を放った。巨人岡本和真内野手(22)が12日、川崎市のジャイアンツ球場で全体練習に参加。フリー打撃でバックスクリーンを破壊する超特大弾を打つなど、13日のCSファーストステージ初戦のヤクルト戦(神宮)に向けて好調をアピールした。史上最年少の「3割30本100打点」を達成した若き主砲が、8連敗中の難敵ヤクルト小川を打ち砕く。

難敵撃破の前に、ジャイアンツ球場にぽっかり穴を開けた。フリー打撃の終盤。岡本が放った打球はハンパなかった。本塁から122メートル先、高さ約15メートルのスコアボードに「ドン!」と衝突。8番打者の名前が表示される左側の電光掲示板が砕け散った。ボードを覆う強化ガラスがボールの形にまん丸に割れ、周囲はひびによって変色。「風ですよ。試合で打てるように頑張ります」と淡々と振り返ったが、若き主砲の推定飛距離160メートル弾がバックスクリーンを破壊した。

破竹の勢いを示す1本だ。ジャイアンツ球場でのバックスクリーン破壊弾は09年3月27日の阿部以来。シーズン開幕前の練習で、7番打者の名前が表示される右側の電光掲示板をぶち壊した。左右の違いはあれ、ほぼ同じ場所まで飛ばしたのは大砲の証明。破損した場所の修理費は推定100万円と、これまた同じだ。打撃ケージ裏から見つめていた高橋監督も「俺は初めて見たよ。状態はいいんじゃない。いろんなものが一致しないとあそこまで飛ばない」と目を丸くした。

苦手右腕を打破する。9日、シーズン最終戦となる阪神戦で2打席連発し、史上最年少の「3割30本100打点」(打率3割9厘、33本塁打、100打点)を達成。フリー打撃でも快音を連発し「多少振れているところはあります」と好調そのものだ。自身初のCS初戦で対するのは、ここまで8連敗中のヤクルト小川。前日11日から打撃マシンを2メートル本塁寄りにするなどチーム全体でカットボールへの対策を施した。「集中してやっていきたい」と少ない好機をモノにする準備は万全。破壊力抜群の1発で、いざ、下克上に挑む。【島根純】