花咲徳栄(埼玉)の野村佑希内野手(3年)は日本ハムから2位指名を受けた。同校からは4年連続のドラフト指名。野村には12球団から調査書が届き、多くの球団と面談を済ませていた。「夢のようです。ホッとしました」と喜びを見せた。

高校通算58本塁打を誇る右の強打者で、2年夏には4番打者として甲子園優勝に貢献。今夏は投打二刀流で奮闘し、甲子園出場を果たした。夏の甲子園での2年連続2本塁打は清原和博氏、西武森に続き、史上3人目。「思う存分に練習し、バッティングを高めていきたい」とさらなる飛躍を志す。

木製バットへの対応も順調に進む。甲子園期間中から本格練習を始め、2カ月間で折ったバットはわずか1本。視察に訪れたスカウト陣からも「清原みたいだ」「おれもあれくらい飛ばしてみたかった」「打球が上品」など賛辞が続いた。30分以上打ち続けても飛距離が落ちない体力にも、評価を高める球団が多かった。

伝説は甲子園球場の西2キロ地点にも残る。夏の甲子園で、出場校が割り当て練習で使用する津門中央公園野球場(兵庫・西宮市)には、両翼に高い防球ネットがそびえる。野村は昨夏、その左翼ネットを越え、推定飛距離140メートルの民家直撃弾を放った。地元住民によると「ここまで飛ばした高校生は初めて」。ずば抜けた長打力をプロも求めた。

「しっかり打点を稼ぎ、日本を代表する4番打者にいつかなりたいです」と野村。夏の甲子園で横浜に敗退し、ホテルに戻ると、大勢の子どもたちがサインを求め、待っていた。「ファンの方にも愛される選手になりたいです」とプロ野球選手になることを心待ちにしていた。