広島松山竜平外野手(33)が9日、今季取得したFA権を行使せずに残留を表明した。報道陣の前に姿を見せ「よく考えて悩んだ答えは、残留して、またカープでやらせてもらうことになりました」と笑顔で発表した。来季の年俸などは基本合意し、細部を今後の交渉で詰めていく。鈴木球団本部長は「左打者で長打を打てる選手が少なく、貴重な存在。新井までなれとは言わないが、いじられキャラで頑張ってもらいたい」と残留を喜んだ。

今季初めて規定打席に到達し、打率3割2厘、12本塁打、74打点を挙げた。14試合で4番を任せられるなど、主に中軸としてリーグ3連覇に貢献。打力は他球団からも高評価を受けていた。シーズン中から球団と話し合いを行いながら、新井や石原にも相談した。今季限りで現役を引退した新井からは「この球団はすごくいい、絶対残った方がいい、家族のためにもここにいることが一番いい」と残留の後押しを受けた。家族は最後まで自分の決断を尊重してくれた。「やっぱりこのチームがすごく好きなので、ここでずっとやりたいという気持ちが一番強い」。広島を離れるイメージが湧かなかった。11日からの秋季キャンプは免除ながら、すでに4連覇を目指す来季へ向けてトレーニングを始めている。【前原淳】