育成契約で楽天に入団が決まった前ヤクルトの由規投手(本名・佐藤由規、28)が28日、楽天生命パークで開かれた入団会見に臨んだ。

真っさらなユニホームに袖を通し、鏡に映る自分を見つめた。胸には「EAGLES」の文字。帽子の色もクリムゾンレッドに変わった。照れながら「似合うかな?」。育成選手としては異例の報道陣50人を集めた入団会見で、新天地での決意を口にした。

由規 どうしても野球をやりたくて。ヤクルトを退団する決断の中、地元の仙台の楽天に声を掛けてもらって。心機一転。球団のスローガンを見て、僕自身もリスタートだと思いました。初心に帰るという意味ですね。

掲げた「リスタート」は、球団の来季のスローガン「RESTART! 日本一の東北へ」と重なった。

故郷での再出発。16年に自主トレをともにしたダルビッシュから「いつも気遣ってもらって。『1年でも長く頑張れ』と言ってもらった」というエールに励まされた。過去には「ビールはやめよう。百歩譲ってウイスキー」と栄養面でアドバイスを受けたこともあった。仙台の先輩の金言も胸に、生まれ育った地でリスタートする。

07年ドラフト。楽天は由規を1巡目指名するも、競合の末、くじで外した。時は流れた。由規は「いつかは、と思っていた。活躍することがヤクルト、楽天への恩返しになると思っている」と第2のプロ野球人生を歩む。【栗田尚樹】