遊撃レギュラー再奪取へ、合言葉はチャレンジだ。阪神鳥谷敬内野手(37)が中日とのオープン戦(北谷)で適時二塁打を記録した。

2番遊撃で先発。3回1死二塁、右腕柳に1ボール2ストライクと追い込まれながらカーブにグッと堪えた。力をためてからの強振で右中間最深部まで飛球を届かせ「いいところに飛んでくれた」と笑顔で謙遜。19年オープン戦初安打をタイムリーで決めた。

ベテランならではの巧みな一打。矢野監督はその直後の走塁に目を見張ったという。「いやあ、スゴイよなあ。凡打後の走塁もそうやし、(適時二塁打で)三塁までチャレンジしたのも、すごくいい走りやったと思う。ショートにチャレンジしている気持ちが、ああやって足を動かしていると思うから」と納得顔だ。

鳥谷は適時二塁打を放った際、迷わず二塁ベースを蹴って三塁へ。これは結果的に惜しくもタッチアウトとなったが、3打席目の三ゴロでも速度を緩めることなく一塁へ全力疾走していた。本人は「(三塁へは)厳しいかなと思ったけど、オープン戦だしチャレンジしていこうと思って」と表現。アグレッシブな姿勢で遊撃争いへ本格参戦した。

ここまで実戦4試合で10打数2安打。ライバルの北條やドラフト3位木浪が好調をキープしており、3月以降も激しい競争が続きそうな気配が漂う。この日は当たり損ねのゴロを軽快にさばき、体のキレもあらためて証明。「(今後は)打席の中で自分の感覚と合うようにしていきたい」。逆襲へ、綿密なプランを遂行していく。【佐井陽介】