ドラゴンズのレジェンドが、1日限定で現役に復帰する。中日は1日、昨季を最後に引退した岩瀬仁紀氏(44=野球評論家)と荒木雅博2軍内野守備走塁コーチ(41)と育成選手契約を結んだ。

岩瀬氏は2日に、荒木コーチは3日に、いずれもナゴヤドームで引退試合として行われるオープン戦のロッテ戦で先発。本拠地で最後の勇姿を見せる。

対戦する打者は1人ながら、岩瀬氏が先発マウンドに立つ。与田監督は「一番最初。先発で。ファンの方がたくさん集まってくださると思うので、岩瀬の13番を最後に見せて」と起用法を明かした。守護神として日本球界最多407セーブを誇る左腕にとって、シーズンの先発は00年10月8日広島戦(広島)で7回1失点で勝利投手になった1度きり。荒木氏は「1番DH」で1打席のみ出場する。

14年には山崎武司氏が、16年には山本昌氏が同様の引退試合でファンに別れを告げた。功労者にふさわしい場を球団が用意した。「そういう試合をやってもらえる選手に、1人でも多く、なってほしい。引退試合をやってもらえる選手って非常に少ない。しっかり目に焼き付けて目標にしてほしい」と与田監督は望む。

昨年10月13日の阪神戦。投げて守っての2人の引退セレモニーは、感動的だった。岩瀬氏は「精神的に強くない自分でしたけど、9回というポジションを必死で守ってきました」「中日ドラゴンズのファンの皆さま、弱いぼくの背中を押してくれて本当にありがとうございました」などと心に残る言葉を残し、ファンに別れを告げた。岩瀬氏に荒木氏に続く選手が生まれるとき、強竜はよみがえる。【堀まどか】