巨人菅野智之投手(29)が、実戦2試合目で早くも完璧な投球を披露した。

オープン戦のヤクルト戦に先発し、打者9人をわずか39球でパーフェクトに抑えた。今季初登板となった2月23日の楽天戦では2点を失ったが、1週間で修正。エースが貫禄を見せつけた。

菅野が力感のないフォームから、威力のあるボールを投げ込んだ。1回、ヤクルト先頭の坂口に対し、148キロの直球を投げ、2球目には今季テーマに掲げる高めの直球。カウント1-2から、ラストは148キロの直球で空を切らせた。2番青木には初球の145キロで三ゴロ、3番山田哲も148キロの高め直球で捕邪飛にねじ伏せた。

菅野 ある程度は前回の反省を生かしながら、投げられた。前回よりは良かったです。

菅野らしさが詰まった投球だった。前回登板の2月23日の楽天とのオープン戦は今季初の実戦登板で「少し、意気込みすぎた。自分をコントロールできなかった」と2回2失点。直球の平均球速は148キロも、少し制球が乱れたが、この日は両コーナーにボールを投じた。

先発マスクの小林との息もピッタリだった。1回は10球中7球が直球だったが、2回以降は変化球多めの配球に変更。2回は14球中9球、3回も15球中9球が変化球だった。「(小林が)やろうとしているところは伝わった」。毎回の3奪三振、3回をわずか39球で無失点に抑えた。

対ヤクルトのノーヒット記録も“更新”した。昨年のクライマックス・シリーズのヤクルト戦で同シリーズ史上初のノーヒットノーランを達成。この日も無安打を継続し、12イニングに更新した。相性の良さを聞かれ「そんなことないです。打線がいいチーム。油断はできないですし、しっかり引き締めて」と話した。 次回登板に向け、エースは力を込めた。「求めるところはまだ先。結果はゼロでしたが、まだまだやるべきことはたくさんあります」。飽くなき探求心を持ち、広島との開幕戦に照準を合わせる。【久保賢吾】