阪神のルーキーコンビが甲子園で躍動した。ドラフト1位の近本光司外野手(24=大阪ガス)とドラフト3位木浪聖也内野手(24=ホンダ)が、本拠地でのシート打撃練習でともに活躍。近本が“甲子園初安打&初盗塁”を記録すれば、木浪も“マルチ安打”。5日のチーム5安打中3安打を新人2人が稼いだ。シーズンでも甲子園で暴れ回り、虎党を喜ばせるで~。

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2人の24歳ルーキーが、本拠地で元気ハツラツな姿を見せた。まずは近本だ。シート打撃に登場すると、藤川からレフトへ“甲子園初安打”を記録。次打者の4球目に、すかさずスタートを切り“甲子園初盗塁”もマークした。「今はどんどん失敗してもいいと思う。どこまでいけば悪い結果が出るのか、どうすればいい結果になるのかを挑戦して。失敗も踏まえてシーズンに向けて、どう調整していくかです」。二塁走者の場面では三盗を試みた。ナバーロが一ゴロに倒れたため、盗塁とはならなかったが果敢に走る「攻めの姿勢」を崩さなかった。

止まらない男、木浪も負けてはいない。第1打席に左腕岩崎から中前打を放つと、第2打席でも左腕の島本から左安打を放って2打数2安打。またもアピールに成功した。ここまで実戦10試合で打率4割7分8厘を誇る脅威のルーキーが開幕1軍入りに向け、突き進んでいる。プロ入り初の甲子園でのシート打撃。木浪は「(甲子園は)広いな、と。でも、お客さんがいなかったので緊張はしませんでした」と笑顔。満員の聖地で活躍する日を夢見て、黙々とバットを振っている。

矢野監督は木浪の打撃に「うまさというか、しぶとさというか。ずっと広角にしっかり打ち分ける。開幕? スタメン? なくはないでしょう」と改めて高評価を示した。木浪は守備でも本職の遊撃に加えて内野ならどこでも守れる。シートノックでは三塁を守ったが、練習中には内野全ポジションに就いた。「自分はやるだけなので。いけと言われたところを、どこでも準備したい」。1軍生き残りのため、複数グラブを持参している。

昨年、阪神は甲子園で21勝39敗2分けと苦しんだ。近本、木浪は6日はともに2軍戦(練習試合・奈良学園大戦)に出場予定で、シーズンへの調整を重ねていく。2人が甲子園で虎党を笑顔にする日も遠くないはずだ。【真柴健】