実力でつかみ取る。ロッテ・ドラフト1位の藤原恭大外野手(18=大阪桐蔭)が19日、オープン戦23打席目で初長打&初打点となる走者一掃の適時三塁打を放った。6点リードの6回1死満塁、西武相内の直球を左中間へ。調子が上向いてきた打撃はもちろん、走塁でもアピールに成功した。ここまでオープン戦で23打数5安打3打点、打率2割1分7厘。開幕1軍へ、勝負の日々が続く。

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6点リードの6回1死満塁、1ボールからの相内の2球目。藤原は外角の143キロの直球を逆らわず、左中間へ運んだ。「満塁というより、自分のスイングをしようという意識で打席に立ちました。調子もよくなっているので、1球目から振っていこうという意識でしっかり1球で仕留められたのでよかった。打ち損じが減ってきた」。二塁ベースを回ると一気に加速し、三塁を陥れた。

動画を見直し、自分のフォームが崩れているのに気づいた。転機となったのは16日の日本ハム戦だった。最終打席で右飛に倒れたが、凡打の中にも好感触を得た。「『打ちたい』と思って前のめりになっていたのに気づいた。自分のフォームがわかってきて、自信というか1球目から打っていけてる」と好調の要因を分析する。

外野の定位置はこの日2ランを放った角中は当確だが、実績のある荻野の調子が上がってこない。この日3安打の加藤、1番の起用の多い岡、途中出場が大半ながら打率3割8分5厘と結果を残すベテラン清田と混戦状態だ。井口監督は「外野手はいい競争をしている。一番調子のいい人をと思っています」と横一線を強調。藤原については「(三塁打の打席は)左中間ですけど三塁まで走って、足の速さが出ましたね。しっかり振れてるし守備も含めてしっかり動けている」と評価した。“ドラ1ルーキー”ということを抜きにしても実力で定位置争いに食い込んでいる。

オープン戦は残り4試合。1軍に同行しながら、試合のない日には経験を積むためファームの試合に出場する可能性もある。「残りたいという気持ちも強いですし、もっとやらなきゃという気持ちもある。1打席、2打席の勝負だと思うので、そこに100%を持って行けるように練習からやっていきたい」。藤原がその手で1軍をつかみ取る。【久永壮真】