中日与田剛監督(53)はヨーダだった!? 新任指揮官が強調したのは「気配」の重要性。相手や周囲の気配を感じて、試合で実践することだった。まるで映画「スター・ウォーズ」シリーズの老人キャラクター、ヨーダが「フォースを感じろ」と話しているよう。「よだ」ならぬ「ヨーダ」の教えが浸透すれば、竜のV奪回も現実味を帯びてくる。【取材・構成=伊東大介】

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-気配を感じることを重要視していたが

与田監督 気配を感じるには、ある程度の修羅場、経験を積まないといけない。若い選手には「場所」「環境」を与えないといけない。単純に感じなさいと言っても、試合に出ないと蓄積できない。同じ試合に出るにしても、気配を感じられるか。気配は「気配り」とも読める。自分がそういう気を配ることで、気を感じることになる。意識が変われば、気配を感じることができる。何も考えずに試合に出ているだけなら、いつまでたってもできない。それも試合に出させて、試合の中でこういう心がけで臨めば、わかってくる。そういう環境を与えるのが僕たちの仕事だと思う。

-谷元はピンチになると靴ひもを直して間をとる。そういう選手もいるが

与田監督 ただ単純に、四球を出してピンチになり、まずい、まずい、ではいけない。そうなったけど、自分に何ができるか、抑えるためにどうしたらいいか。周りの雰囲気とか、気配は自分自身も感じないといけない。それがああいう形で彼はできていた。

-離脱中の松坂は、開幕の軸にはなれなかった

与田監督 (現状では)計算していない。とにかく1日でも早く1軍の戦力になってくれれば。願うのはそれだけ。大輔の影響力は当然大きい。計算してもなかなか計算通りにならない。いい意味で考えないように、準備が整ってから考えようと思っている。

-新人の根尾も同じか

与田監督 根尾に限らず他の選手も皆、そう。どうしても根尾の注目度が高いのは避けられない。根尾ありきの話じゃない。1軍で2試合で使ってみて、いいもの、悪いもの、課題も出てきた。それが、2軍でどういう形になって、1軍の戦力として2軍の首脳陣がどう判断するか。(1軍での)ポジションも考えないと。それも含めて考える。

-評論家の順位予想がよくないが

与田監督 全然気にしていない。僕もそちら側にいた。それはキャンプを取材して、戦力分析して当たり前のようにやってきた。それに対して覆そうという意識はない。戦う相手は評論家じゃない。とにかく選手と向き合って、対抗球団のチームと戦う。その結果、順位が予想通りになるのかならないのか。同じ野球人の実績のある方が判断された現実は受け入れる。気にせず、自分たちのできることをやる。(終わり)