ロッテ打線が止まらない。5日に3本塁打でソフトバンクを破った勢いそのままに、この日も4本のアーチをかけた。

加藤翔平外野手(28)が2打席連続の本塁打を放てば、中村奨吾内野手(26)は2戦連続弾。ブランドン・レアード内野手(31)もリーグ単独トップの6号2ランを放つなど7点を奪い快勝した。

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初回、1死から2番加藤は初球を狙い澄ました。ソフトバンク先発ミランダの145キロの直球を左翼テラスにたたき込む3号ソロ。「毎日、行木(なめき)スコアラーと話をして『どうやって相手投手を打ち崩していくか』とか、いい話し合いができている。曖昧ではなくて狙い球をしっかりと絞って打ちにいけている」。続く3回の第2打席でも4号ソロを放った。

なぜ今季のロッテはこれほど本塁打が出るのか? 理由の1つは新設された「ホームランラグーン」にある。ここまで本拠地開催は3試合のみと、直接的な恩恵はあまり受けてないが、井口監督は「球場が狭くなって、しっかり振れば入るというのはみんなわかったと思う」と意識の変化による効果を口にした。

また「チーム戦略部」の新設も要因だ。メジャースカウト経験者ら6人の統計アナリストを配置し、昨季まで楽天に所属した行木スコアラーを招いた。その分析をもとに、毎試合前に15分程度のミーティングを行う。「どんな球種があって、どういうボールの使い方をしてくるかとか。簡単なんですけどそれが頭に入るだけで変わることもある」と同スコアラー。井口監督も「絞り球を自分たちで決めて自分たちのスイングができている。狙い球を決めた結果、積極的に振れている」と専門部隊の分析効果を認めた。

2つの理由による意識改革で、各打者の頭の中が整理された。昨季は12球団ワーストの78本塁打だったチームが、今季はもう18本。321本ペースだ。【久永壮真】