JR東日本東北(宮城)が1-2で鷺宮製作所(東京)に逆転負けし、東北勢初の決勝進出を逃した。エース左腕・西村祐太(29=桐蔭横浜大)が完封目前の9回裏1死から連打で同点とされると、延長10回も2死から3連打を浴びてサヨナラ敗退。西村は「9回は相手の1番打者にもかかわらず、追い込んでから不用意に投げてしまった」。7回まで3者凡退6度と、多彩な変化球でテンポ良く投げていた好調さが油断につながった。

今季初の公式大会での4強には収穫も多かった。菅野赳門(22=駒大)、小山倭誠(22=亜大)が新人ながら二遊間で主力を形成。この日はケガで出遅れていた鈴木聖歩外野手(22=桐蔭横浜大)もDHで初先発。ルーキートリオがそろって犠打を決めるなど、攻守両面で躍動した。投手陣も予選リーグの2試合に山田周平(22=敬愛大)、桜糀大輝(22=中部学院大)がルーキー無失点リレーで勝利を導くなど、新戦力の底上げは上々だ。

4年ぶりの都市対抗出場に向け、1次予選宮城県大会が5月18日に開幕する。同8日からは日本選手権出場を争う東北大会もある。主将の小笠原涼介内野手(28=東海大、写真は東北題字)は「目標は東北に黒獅子旗(都市対抗優勝)を持って帰ること。新人の勢いも頼もしいし、自分たちベテランも渋い形でいいから粘り強く仕事をしないといけない」。強豪と互角以上に戦い続けた自信と、日本一への手応えは得た。【鎌田直秀】