わずか1点を鉄壁のリリーフリレーで守り抜いた。3-2の9回。マウンドに立ったのは守護神ドリスだった。先頭の大和に右前打を許し犠打で1死二塁。同点のピンチにも表情は変わらなかった。神里を140キロスプリットで投ゴロに。球威に負けたバットは縦に割れ、グラウンドへ飛んでいった。最後は宮崎を遊ゴロに仕留めると、梅野とクールにグラブを合わせた。

21日のヤクルト戦(甲子園)から4連投だった。17年8月29日から9月1日以来となる約2年ぶりの大仕事。疲れもたまっているはずだが「ダイジョウブ」と頼もしかった。「ブルペンみんなで助け合っていて、それがうちの強み」。リリーフ陣の総力で連勝を4に伸ばした。

同点に追いついた6回から、西に代わって守屋が登板。回またぎもいとわずに1回1/3を無安打に抑えた。7回1死で代打乙坂が送られると、左腕能見がマウンドへ。1安打無失点でつなぎ、8回にバトンを受けたのは3連投の藤川だった。「みんな助け合い。目の前のことに全力で取り組む、それを常に思いながらやっている」。3番ソトから始まる中軸から要所で三振を奪い、1点を守ってドリスへつないだ。

4試合連続1点差勝利は12年ぶり。加えてこの日は、前日23日まで3連投していたジョンソンを休養させることにも成功した。強固なリリーフ陣がいてこその4連勝。矢野監督も「球児もこれで3連投目になったんかな。守屋がピシャッと行ってくれて、能見も責任を果たしてくれて」と労った。

この勝利で今季1点差試合は8勝2敗。接戦を制した数はリーグトップだ。矢野監督は「手汗を1リットルかいたわ。めちゃめちゃ手汗をかいたわ。こういう試合がうちの試合となってくるような。これを強みにみんなでしていけるようにね」と会心の笑顔。手に汗握る3時間半は、リリーフ陣の強さの証しだ。【磯綾乃】