西武の山賊打線が執念を見せた。9回に3点差を追いつかれ迎えた延長10回1死一塁の場面。秋山のゴロを日本ハム中島が後逸した。

一塁走者木村は失策を見届けると三塁めがけて加速。腕を振る黒田三塁コーチを信じて、サヨナラの生還を果たした。ユニホームを泥だらけにした木村は「打球は最後見ていなかった。『やっと終わった』と思って立てなかった」。3連戦合計12時間超えの激戦を制し、勝利をもぎ取った。

木村は打っても4打数4安打で「1打席目に打って、そのまま乗っていけたら」。試合前練習のフリー打撃では辻監督から「右肩に力が入りすぎている」と指摘を受けた。前夜まで11打席連続無安打が続いていたが、一気に固め打ち。「そういうアドバイスをもらいリラックスして力むことなく打席に入れた。続けていきたい」と大粒の汗を流しながら誓った。