2位DeNAが投打に底力を見せ、巨人との首位攻防戦に連勝。1・5ゲーム差に迫った。一時は5点のリードを追い付かれたが、8回1死三塁、捕逸で勝ち越し点を挙げた。3番ネフタリ・ソト外野手(30)が28号3ランを含む4打点で打線をけん引。アレックス・ラミレス監督(44)の采配もはまった。4月には10連敗を喫するなど低迷したが、節目の100試合目に充実の戦いぶり。4日、エース今永でカード3連勝を狙う。

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投打に凝縮した力と、横浜スタジアムに詰めかけた3万2155人のプレッシャーが、勝ち越し点を呼び込んだ。8回1死三塁、打者は4番筒香。相手の捕逸という思わぬ形だったが、欲しかった1点には変わりない。ラミレス監督は「チーム一体となっての勝利で非常にうれしい。相手のミスや犠牲フライなど細かいところで点がとれたのはよかった」と満足そうに振り返った。

好調打線をソトがリードした。1回1死三塁から飛距離十分の中犠飛で先制点をたたき出すと、3回1死一、二塁の場面では、巨人今村の低めスライダーを完璧に捉え、左翼席中段に飛び込む28号3ラン。「スゴーイ! しっかり強い打球を打てるボールを狙っていた。1戦1戦しっかり準備して、より集中して打席に入れているよ」と充実した表情だ。この日の4打点でリーグ単独トップの75打点。本塁打も巨人坂本にあと1本に迫り、「2冠」が視界に入ってきた。

ラミレス監督の「ひらめき」もさえた。同点とされなお8回2死一、三塁、打者ゲレーロの場面で、エスコバーから国吉にスイッチ。一ゴロに仕留めて勝ち越しを許さなかった。「イニングが始まる前に、ひらめきがあって準備させたんだ。その通りにうまくいったね」。その裏、宮崎が二塁打で出塁すると、次打者ソトの3球目で石川を代走起用。「急にピンチランナーを出そうと思ったんだ。石川は代打の準備をしていたけどね」とニヤリ。結果的に石川が決勝のホームを陥れた。普段はデータを重視する指揮官だが「基本はデータ80%、フィーリング20%。今日はその20%を、より多く使ったのかな」と説明した。事実、この日の9番大和、1番神里、2番宮崎は、巨人今村に対する相性の良さを考慮して決めたもの。「データとひらめき」のバランスも、勝利への最後の一押しとなった。

春先には10連敗を経験し、最下位に沈んでいたチームが首位を視界に捉えた。さあ、首位へ1・5差。盛夏8月、DeNAがセ界をより熱くする。【鈴木正章】

▼DeNAが巨人に連勝し、7月15~17日広島戦から6カード連続勝ち越し。DeNAが6カード以上の連続勝ち越しは15年4~5月の7カード以来になるが、今回のように後半戦最初のカードからは球団史上初。他球団を見ても、後半戦最初から6カード連続で勝ち越したのは14年ソフトバンク以来となり、セ・リーグでは92年ヤクルト以来、27年ぶりだ。昨年のDeNAは横浜スタジアムで33勝37敗1分けの負け越しだったが、これで今年は31勝19敗1分け、勝率6割2分。本拠地では5月31日~6月2日ヤクルト戦から10カード連続で勝ち越している。