中日大島洋平外野手(33)が109試合目の今季1号で、4位阪神とのゲーム差を2差に縮める勝利を呼び込んだ。初回1死一塁で、ヤクルト先発の小川から4球連続ファウルで粘り、6球目のストレートを右翼スタンドに先制2ラン。堂上も11号2ランで続き、初回の4点と継投で競り合いを制した。

「1本出たからよかったです。出るにこしたことはないけど、意識して狙うことはないです」。竜党の大歓声の中を引き揚げながら、昨年9月7日広島戦以来の1発を大島は振り返った。この日の試合を迎える前、セ・リーグの規定打席到達者31人の中で0本塁打は大島とDeNA大和の2人だけだった。本塁打ゼロだったプロ1年目を除けば1番遅い1号弾で、チームに流れを持ってきた。

3回の第2打席で左翼線を襲う二塁打を放ち、9回も左前打。「ホームラン1本に終わらず、逆方向にしっかり打てたことがよかった」と12度目の猛打賞。走っても9回、盗塁王を争うヤクルト山田哲の前で二盗を決めた。「セーフにしてくれたんでしょう」とジョークで笑ったが、今季27個目で山田哲との差を2に。9回1死一塁の中堅守備では強風の中、青木の打球を捕りきれず。ハラハラのゲームセットにはなったが、平田、アルモンテら主力の故障禍に頭を悩ませる中日で、打って走って大島は健在だ。【堀まどか】