西武平良海馬投手がプロ初勝利を挙げた。同点の7回2死二、三塁。対する打者は37歳の内川という局面でマウンドを託された。

初球、内角151キロでストライクを奪うと、2球目も内側を攻めて154キロで押し切り、二ゴロに打ち取った。わずか2球で空気を変えた19歳のパワーピッチャーは「みんながつないでくれた1勝。しっかりと、思い出として残したい」とうなずいた。

中継ぎ陣に突如として現れた新星。マウンドでも変わることのない表情から「男梅」の愛称で親しまれる。27日の日本ハム戦が行われた北海道・釧路では、地方球場とはいえ球団最速タイとなる158キロをマーク。森も「19歳であれだけ思い切りよく投げられるピッチャーはいない」と驚く逸材。緊張はブルペンまでで「マウンドに上がったら抑えるイメージをしていた」と堂々たる投球だった。

初セーブを挙げた28日の日本ハム戦は日没コールドで舞い込んできた記録だったため、記念球はなかった。初勝利のボールはしっかりとゲットし「実家に送ります」と沖縄・石垣島に喜びとともに届ける。【栗田成芳】