日刊スポーツ評論家陣が語る今回の「野球塾」は、阪神03&05年の優勝メンバーの桧山進次郎氏(50)が、残り15試合になった古巣の戦い方を提言。逆転でのCS進出に望みを託す10日ヤクルト戦からの7連戦を前に、「打」より「守」を強調しました。【取材・構成=寺尾博和編集委員】

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プロ野球界はそろそろ、CS制度のルール改正に踏み切るべきです。ぼくは勝率5割に満たないチームがCSに出るのは反対です。1シーズンを戦い抜いて勝ち取った優勝の価値観を真剣に考えないといけないと思っています。

さて阪神ですが、ここにきてCS進出は非常に厳しい状況になったと言わざるを得ません。借金4を抱えたチームは残り15試合を大きく勝ち越さないとCS進出はかなわない。かすかな望みとはいえ、最後まで力を振り絞ってほしい。

8日の広島戦(マツダスタジアム)では、5回にドリスを投入しましたが、今後もこういったケースが出てくる。先手必勝が理想ですが、先発が打たれだしたら、早い回でも中継ぎをつぎ込んで、1点でも少なく失点を抑えながら反発力に期待する戦いになるでしょう。

もちろん打ち勝つに越したことはありません。でも、急に得点力が上がるとは思えない。むしろ「打つ」でなく、「守る」ところから勝つ術を見いだしたいですね。阪神はセ・パ両リーグ最多の95失策ですが、やはりシーズン後半も記録に表れないミスが目立ちました。

メンバーの顔ぶれが若いというのは言い訳になりません。シーズンを通してみていると、準備不足というのが目につきます。守りのほころびは試合の流れが変わりやすく、チームの士気に影響します。この1球に集中力しながら守り勝っていくことです。