巨人が5年ぶり37度目のリーグ優勝を果たした。

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坂本勇と広島から移籍した丸が打線を引っ張った。2人は全試合に出場。坂本勇は開幕36試合連続出塁のセ・リーグ記録をつくり、プロ入り最多の本塁打と打点をマーク。遊撃手で39本塁打は85年宇野(中日)の41本に次ぐ2位の記録で、遊撃手初の打率3割・40本が目前だ。丸は27本塁打、89打点。巨人へ移籍1年目に89打点以上は08年ラミレス以来となり、FA移籍では97年清原95打点、00年江藤91打点に次いで多い。チームで肩書付きの殊勲安打は坂本勇1位、丸2位、V打点も坂本勇1位、丸2位。殊勲安打はリーグ全体でも坂本勇1位、丸5位と、勝負強さを発揮した。

坂本勇は1番で16試合、2番で113試合、3番で3試合、4番で5試合、丸は2番で18試合、3番で120試合に先発出場(坂本勇は途中出場1試合)。2番坂本勇-3番丸が113試合あり、先発した2人の打順が離れたのは5月4日の1番坂本勇-3番丸の1試合だけだった。この2番坂本勇-3番丸で増えたのが初回の得点。昨年より22点増え、巨人のイニング別得点は初回の96点が最多で、両リーグで初回の得点は巨人が最も多い。V逸中は初回に得点したのが15年36試合、16年35試合、17年36試合、18年42試合だったのに、今年は53試合に増えた。初回に得点した試合は34勝18敗1分けで貯金16(初回0点は借金2)と、先制パンチが効いた。

広島時代の丸は四球の多い選手だったが、巨人でもチーム最多の85四球。坂本勇の長打が昨年の47本から65本に増え、四球を選び1発も打てる丸が加入した結果、巨人は長打率が昨年の3位から1位、出塁率も昨年の4位から1位となった。長打率1位は13年以来で、出塁率1位は12年以来だ。昨年の広島は打率3位、本塁打2位、防御率3位ながら、長打率と出塁率が1位で優勝したが、今年の巨人も3部門で1位は本塁打だけ。これでセ・リーグは15年ヤクルトから5年続けて長打率と出塁率の両部門1位チームが優勝。打率や防御率は大切だが、最近のセ・リーグは「長打率」と「出塁率」が重要になってきた。高い長打率と出塁率で広島の3連覇を支えた丸が、今年は巨人のV奪回に貢献した。【伊藤友一】