雨男で決める。巨人は12日、勝てば日本シリーズ進出が決まる13日のクライマックス・シリーズ(CS)ファイナルステージ第4戦に向けて、東京ドームで練習を行った。

この日に予定されていた同戦は、台風19号の影響でドーム球場で開催されたCSではセ・リーグ史上初の中止。報道陣の安全も考慮して非公開練習で調整した。大一番に先発するルーキー高橋優貴投手(22)は、CS初登板初先発。今季自身3度目の雨天中止となったが、スライド登板に備えた。

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勝てば6年ぶりの日本シリーズ進出が決まる一戦に向けて、ルーキー高橋が静かに気持ちを高ぶらせた。「投げられる幸せを感じてやっていきたい。全力で1人1人アウトを取ることが大事。一番はチームが勝つこと」。邪念は捨て、フォア・ザ・チームの精神で腕を振る。

本来は12日に先発予定だった。ドーム球場のCSではセ・リーグ初の順延となり「誰のせいですかね」と苦笑い。5月21日のDeNA戦、ルーキーイヤーに生まれ故郷、茨城・ひたちなか市での凱旋(がいせん)先発を勝ち取ったが雨天中止になった。東海大菅生3年夏、西東京大会決勝で敗れ、あと1歩で逃した甲子園。夢の聖地で初先発だった同28日も試合が流れた。そしてCS初先発は、屋根がある球場でも…。「多分、3時間ぐらい話せます」と簡単には語り尽くせない雨男の苦労がある。

だからスライド先発も慣れたもの。「なかなかいい結果を得られてない。何回も同じ失敗はできない」と経験を生かす時が来た。ちなみに中止になった茨城・ひたちなか市の代替試合は9月27日の本拠地最終戦に組み込まれ、阿部の「引退試合」として超満員のファンが駆け付けた。レジェンドが劇的ソロを放ち、坂本勇には生え抜き右打者初の40号が飛び出して勝利。G党には忘れられない夜になった。雨天順延を再び吉報に変えていきたい。「しっかり準備、体のケアをして臨みます」と宿泊先のホテルで決戦に備えた。【前田祐輔】