日本シリーズ進出に王手をかけたソフトバンク工藤公康監督(56)は「水入り」の1日をプラスととらえた。

クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージは12日、台風19号の影響で試合がなく、13日の第4戦に向けて西武と同じくメットライフドームで調整。フル回転が続く救援陣には疲労回復となり、第4戦先発のバンデンハークは中6日と万全な間隔となった。

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ソフトバンクは台風が近づく前の午前10時から先発投手陣が練習した。豪雨がメットライフドームの屋根に打ち付け、ごう音が響く中での調整となった。工藤監督は「僕としてはポジティブな要素が強い」と3連勝の勢いに水を差されたことより、疲労回復を歓迎した。

「リリーフ陣が休めた。2日空くことでよりよいコンディショニングになる。バンデンハークがさらに1日空けて投げられる」

第3戦は千賀が8回0封して森、モイネロらを休ませた。第4戦に先発するバンデンハークは当初の中5日から中6日となった。その右腕はCS通算6試合で4勝0敗。前回6日の楽天とのファーストステージ第2戦は3回2/3、4失点で降板も、工藤監督は「いい調整ができている」と力ある球に手応えを感じていた。

そのバンデンハークはスパイクを履かずアップシューズでマウンドから投げて傾斜などを確認。来日5年目でポストシーズン通算でも10試合で6勝1敗と短期決戦は慣れたもの。「ここで投げるのは昨年のファイナル(10月17日第1戦)以来だからね。いい機会だと思った。チームに勢いがあるので、その流れに乗っていきたい」と本番へ備えた。

勝てば3年連続19度目(南海、ダイエー時代を含む)の日本シリーズ進出が決まる。4連勝での突破へ工藤監督は「とにかく無心で、全力でやる」とこれまで通りの一戦必勝の姿勢を貫いた。この日からスアレス、ミランダも合流。分厚い選手層で、このまま西武に圧勝する。【石橋隆雄】