阪神矢野燿大監督(50)が、今季16セーブを挙げた藤川球児投手(39)に来季の抑えを託す方針を示した。人選を問われて「球児でいきたいと思っているよ。抑えは。そこを外す理由もないし、経験もある。球児に任せたい」と明言。「ぜひぜひ、最後締めくくって一緒に喜んで」と付け加え、来年で40歳のベテラン右腕を迷いなく指名した。

藤川は4月に1度出場選手登録を外れたが、同27日の1軍復帰後は安定した投球を続け、7月26日巨人戦で今季初セーブ。その後も要所をしのぐ投球を続け、シーズン終盤まで抑えとして貢献した。56試合を投げて4勝1敗16セーブ23ホールド、防御率は1・77だった。

すでに開幕が例年よりも早い来季に向けて練習を開始しており、この日も鳴尾浜でキャッチボールなどを行った。矢野監督が抑えに指名したことについて「当然の中で仕上げていきたい。そのつもりです」。来年でプロ22年のベテランだけに調整に抜かりはないはずだ。

藤川は日米通算243セーブ。名球会入りの条件である日米通算250セーブまであと7に迫っている。矢野監督は「名球会も達成できると思っているので、一番ふさわしいと思っています。球児がいてくれるプラスアルファは投げる以外でもある。そういうところでも最後は球児がふさわしい」と語るなど全幅の信頼を寄せている。

今季チーム防御率3・46は12球団トップで、その中でもリリーフ陣は2・70の安定感だった。背番号22が来季も鉄壁の救援陣を束ねてみせる。【松井周治】

▼年長セーブ 阪神藤川は、来年7月に40歳になる。プロ野球の最年長セーブ記録は、14年に斎藤(楽天)がマークした44歳4カ月。阪神では18年の能見と今季の藤川の39歳2カ月が最年長。14年には、岩瀬(中日)が40歳シーズンで20セーブを挙げているほか、大野(広島)も95年に40歳シーズンで4セーブを記録している。