草野球プレーヤーが、球界の常識を覆すかもしれない。「相模台レイダース」の杉浦健二郎投手(21=麻溝台)だ。11月の国内独立リーグ「BCリーグ」トライアウト。硬球で150キロを投げ、関係者の度肝を抜いた。

来季はBC・神奈川でプレー予定で、来秋のNPBドラフトで指名される可能性もある。高校・大学と野球部未所属でも、国内最高峰に届くのか。今もなお草野球を楽しむ杉浦の練習に潜入した。

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39歳記者も、相模台レイダースの練習に参加した。「キャッチボールしましょう」と誘ってくれた150キロ右腕の杉浦は、右手にグラブをはめた。「来週、草野球日本代表の試合があるので、右は温存です」。左でも軽く50メートルは投げられるし、そこそこ球威があるので手が痛い。

ノックでは左投げのまま中堅へ。いきなり背面キャッチを試みた。「意味が分からない」「突然変異型」と仲間も笑うしかないほど運動センスに富む。「ロングティーで柵越えできるか大会、やろう」と言い出し、左打席で100メートル飛ばした杉浦は、右投げ右打ちがベースのはずだ。

フリー打撃で、最速130キロ右腕・広瀬聖さん(19)と対戦してみた。縦スラは打てる気ゼロ。180チーム超が活動する相模原市で、レイダースは50番目前後のCランク。なぜAランクじゃないんだろう。草野球の奥深さをかいま見た。