【ホノルル（米ハワイ州）10日（日本時間11日）＝為田聡史】プロ野球名球会に“大谷ルール”が導入される。同会の総会が行われ、従来の会員資格に加え、特例枠を設けることが決議された。

従来の入会資格は投手は200勝、250セーブ、野手は2000安打だが、特別な価値を見いだした成績をその都度、理事会で協議。候補者を総会に諮り、会員の4分の3以上の賛成で特例を適用する。二刀流を目指すエンゼルス大谷にも将来的な名球会入りが見えてきた。

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投手では200勝、250セーブ、野手は2000安打が入会資格として設定されている名球会に、特例枠を設けることが決議された。約1時間半の総会を終えた古田副理事長から、意外な名前が飛び出した。「極端なことを言うと大谷君が1000安打、100勝とかしたときに名球会としては価値がないのかというと。それは規約としては半分しか満たしていないけど、すごいこと。自分の2000安打よりすごいことをやっている。そういうときに対応しないのか」。今後に起こり得る一例を挙げて説明した。

大谷に限らず、近代野球は役割の多様化が進む。総会では、日本人初の「100勝100セーブ100ホールド」を達成した上原浩治氏、「148勝138セーブ」の大野豊氏、「128勝133セーブ」の斉藤明雄氏らに加え、「900試合（登板）もすごいという話も出ている」（古田氏）として「日米通算905登板」の五十嵐亮太（ヤクルト）の名前も挙がったという。特例は新たな入会資格を設定するのではなくその都度、理事会で候補者を挙げ、総会で4分の3以上の賛成があれば適用となるが、上原氏は有力候補の1人としてみられている。

名球会は野球振興、野球人口の拡大などの使命を背負い、レジェンドが集う組織で未来に向けた働きかけは重要になる。現状では特例枠の候補者の選定は確定していないが「最初、昭和名球会と言っていて、平成が終わって令和になる。野球界も変わってきている」と同副理事長。早ければ来年中にも総会を開催し、特例枠での入会を決議することとなる。現役選手の励み、名球会の価値向上へ着実な1歩を踏み出した。

◆名球会　正式名称は「日本プロ野球名球会」。英語名は「Golden　Players　Club」。ユニホームの胸につけた「GPC」は頭文字。青少年の健全育成と社会還元を目的に、78年7月24日創設。昭和生まれのプロ野球選手とOBで構成し、入会資格は日米通算で投手なら200勝または250セーブ、打者なら2000安打以上。近年は東日本大震災の被災者支援など、幅広い社会貢献活動に乗り出している。