「JFK」の一角として、かつて猛虎の黄金リリーフ陣を支えた阪神駐米スカウトのジェフ・ウィリアムス氏(47)が7日、沖縄・宜野座キャンプを訪問。

盟友・藤川球児投手(39)と5年ぶりの再会を果たし、衰え知らずの投球に「スーパーマンだよ」と今季の活躍に太鼓判を押した。

同氏は滞在中、外国人選手のサポート役を務め、日本球界成功の秘訣(ひけつ)を伝授する。

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藤川がブルペンで投球練習を始めると、伝説の左腕が腕を組み、じっと見つめた。ウィリアムス氏が宜野座キャンプを訪問。鉄壁リリーフを誇った「JFK」の盟友が今も衰え知らずで投げる姿に感動を覚えた。「球児はスーパーマンだよ。本当に素晴らしい。投げ方とかすべてが自分が昔見ていたのと一緒。彼を見て、自分自身が現役だった頃を思い出したよ」。右腕が阪神に復帰する以前、5年ぶりの再会に胸を熱くした。

藤川も熱視線に応えるかのように29球。「また飯を食いに行きますよ」と喜んだ。この日は「K」こと、久保田智之球団本部プロスカウトとの3人そろい踏みはならなかったが、ウィリアムス氏は「思い出とか昔のことが頭に思い浮かんだ。自分はこういう立場になって、役割は少し変わったけど、昔のチームメートと会えて本当によかったよ」と感慨深げ。現役時代と変わらぬ穏やかな表情で、虎党からも「ジェフ~!」と声をかけられては笑顔を見せた。歴代助っ人の中でも抜群の人気を誇るサウスポーもまた、当時と変わりなかった。

同氏が阪神のキャンプ地を訪れたのは11年ぶり。駐米スカウトとして新外国人のサポート役を担う。宜野座キャンプには実に7人の助っ人が集結し、新戦力は5人もいる。球団側が「橋渡し役」として招へい。「(自分が加入した)当時はオマリーさんとかアリアスさんとか、彼らがいたおかげで助かった。今度は自分がそういう立場で、新しくきた人に対して知っていることを伝えたい」。合流初日のこの日はサンズ、ボーア、エドワーズらと積極的にコミュニケーションをとった。矢野監督も「来てくれることはうれしい。全然変わってない。相変わらず、めっちゃかっこいいし」と歓迎した。

滞在は約2週間の予定。チームの命運を握る新助っ人衆の能力を引き出すべく「(自分に)できることがあれば…」と力を込めた。助っ人だけでなく、若手にも好影響は必至。レジェンド左腕が矢野阪神に活力を与える。【只松憲】

◆ジェフ・ウィリアムス 1972年6月6日生まれ、オーストラリアのキャンベラ出身。96年ドジャースと契約し、99年メジャーデビュー。03年に阪神に移り、25セーブを挙げて優勝の立役者になる。05年には中継ぎに転じ、再びチームを優勝に導く。09年限りで引退。日本通算371試合。16勝17敗47セーブ154ホールドポイント、防御率2・20。現役時代は183センチ、88キロ。左投げ右打ち。

◆JFK 05年にジェフ・ウィリアムス(J)、藤川球児(F)、久保田智之(K)の3人が強力リリーフ陣を形成。同年7月18日の横浜戦でも盤石の継投を見せ、3人が登板したゲームは1分けを挟んで、17連勝となった。この活躍に、翌19日付の日刊スポーツは頭文字から「JFK」と命名。一気にその名が定着した。進境著しい藤川、前年まで抑えだったウィリアムスの2人が中継ぎを務め、久保田が抑えに固定された。藤川が53HP、ウィリアムス40HP、そして久保田が27セーブと大活躍。3人の活躍で阪神は、落合博満監督率いる中日との神経戦を制し、2年ぶり5度目のセ・リーグ優勝を飾った。06年途中からは藤川が抑えに転向。3人は08年まで、球史に残る救援トリオとしてフル回転した。

▽阪神ガンケル 外国人選手として、どのように期待されているかを教えてもらった。日本で活躍しただけでなく、阪神というチームで長くやってきた方。組織を知っているから学べることは多かったよ。