場外本塁打まであとわずか。巨人中島宏之内野手(37)が、“脱力打法”で沖縄・名護の新球場オープン戦第1号本塁打を記録した。5回無死、日本ハム井口の真ん中低めに入った149キロの直球を左翼ネットの最上段にたたき付けた。

バットを構える位置は、昨季までの上段構えから下げ、スイング時の左足の上げ幅も最小限にとどめる。リラックスしたフォームから無駄を省いた動きでインパクトの瞬間に最大限のパワーを出力し「いいポイントで打つことができた。練習で気持ち良く打ててるので、それを実戦でちょっとずつできるようになってます」と結果につなげた。

移籍1年目の昨季は43試合の出場で1本塁打と屈辱のシーズンを送った。スピードボールに差し込まれるシーンも増え、たどり着いた思考は「シンプル」。16日のオープン戦初戦は143キロの内角直球を左翼席に運び、この日の149キロとオープン戦2戦2発をマーク。対外試合通算13打数6安打の打率4割6分2厘で、一塁のレギュラー争いに名乗りを上げる。「毎日アピールしていきたい」と言うベテランに、原監督は「非常に戦力として、必要性を感じますね」と評価した。