ようやく“コンちゃんスマイル”が戻った。5日に第1子となる長女が誕生した日本ハム近藤健介外野手(26)が、阪神戦(甲子園)で3打数2安打1四球とオープン戦8試合目で初のマルチ安打。リーグを代表するバットマンは「状態が悪い日が多かったけど、少しずつ良くなってきている」と爽快な笑顔を見せた。

1回の第1打席が、復調ぶりを証明していた。1ボール2ストライクと追い込まれてからが、昨季リーグ最高出塁率を誇った男の真骨頂。2球ボールを見極め、ファウルで粘ってから四球を選んだ。第2打席は内角のカーブを右前打、8回の第4打席はど真ん中に入った初球を逃さず、左前打で出塁した。

強行軍も、幸せいっぱいだ。札幌からの移動日だった前日5日、チーム本隊と離れて空路、東京へ。都内の病院へ駆けつけ、愛妻の出産に立ち会った。待望のわが子を抱いた後は新幹線に飛び乗って、日付が変わる深夜に、大阪到着。「くたくたですよ」と苦笑いも、予定日を過ぎての出産に気をもんできただけに、喜びもひとしおだ。「これからは自覚を持たなくちゃ」。新米パパは開幕へ向け、ここから一気にギアを上げていく。【中島宙恵】