東京6大学野球連盟は5日、神宮球場で臨時理事会を開き、今春リーグ戦を1試合総当たり方式の勝率で順位を競うことを決めた。2戦先勝による勝ち点制に代わり、他5大学と1試合ずつ、リーグ全体でも計15試合だけ。

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1試合総当たり方式は、リーグ戦の行方に大きく影響しそうだ。まず考えられるのは投手力、特にエースの差が順位を分けるということ。従来の2戦先勝方式では、先発が2枚は必要。1試合総当たりなら、まずは1枚でいい。土曜、日曜と対戦相手を替えながらの連戦になるなら2枚必要となるが、それでも今回の方式は、早大や慶大には有利に働く可能性がある。早大は早川、慶大は木沢。今秋ドラフト1位候補の先発を擁するからだ。

逆に絶対的な先発がいなくとも、細かな継投策で“ワンマッチ”を制することも可能に。ベンチワークも順位に直結するだろう。

東大は最下位脱出のチャンスかも知れない。従来の方式では、たとえ1勝しても2勝目がなければ勝ち点0のまま。今回は、とにかく1勝すれば希望が出てくる。前回1試合総当たり方式が採用された46年春は、東大史上最高の2位という好データもある。

方式変更は苦渋の選択。ただ、見方を変えれば、緊迫した「超短期決戦」を楽しめないだろうか。また、東京6大学が1つのモデルケースになるのではないか。同じく開幕延期に頭を悩ませている他の大学連盟が、今後、どういう決定をするのか注目したい。