今秋ドラフト候補でNTT西日本の最速150キロ右腕・大江克哉投手(23=花園大)が、24度の都市対抗出場実績があるチーム相手に、5点を追う6回から登板し、2回1安打無失点と好投した。

普段は先発を担うが、20日に行われる阪神とのオープン戦で先発予定のため、調整も兼ねて中継ぎで登板。先頭打者に内野安打を許し無死一塁としたが、次打者を「変化球の感覚は悪くなかった」とチェンジアップで空振り三振にきり、三振ゲッツーで2死。雨脚が強まる悪天候の中、続く相手4番は中飛で仕留め、7回は3者凡退。「今日はあまり良くなかった。開きが早いと思って、(体を)大きく使おうと思ったけどあんまりでした」と苦笑したが、5回までに3本塁打などで7得点した相手打線を寄せ付けなかった。

高校時代に目立った実績はなく、花開いたのは一般入試で入学した京滋大学リーグの花園大時代。体幹トレーニングなど地道な努力が実を結び、入学時は139キロだった最速が試合を重ねるごとに伸び、2年春に148キロを記録。大黒柱としてリーグ戦初優勝に導いた。4年秋には150キロを記録し、リーグ通算26勝を挙げた。入社1年目で、都市対抗野球大会初戦のJR九州戦で先発し6回2失点で白星を挙げると、同年の日本選手権では優秀選手に輝いた。

20日には、初めてプロ相手に登板予定。「悪かったときにどう修正するかが先発として大事。悪いところを修正して、プロの方たちを抑えていくか、だと思います」と気を引き締めた。

この日はネット裏で、阪神などNPB4球団のスカウト陣が視察した。最速は147キロをマーク。阪神畑山統括スカウトとともに視察した、熊野スカウトは「先発タイプとして評価しています。上位候補、即戦力という見方。まっすぐも走っているし、コントロール的にも良かった。またあさって(20日)交流戦があるのでそこも見たいです」とコメントした。

◆大江克哉(おおえ・かつや)1996年(平8)6月22日生まれ。京都府向日市出身。小4時に物集女(もずめ)ボンバーズで野球を始め、小5から投手。西ノ岡中では軟式野球部に所属し、塔南での3年夏は初戦敗退。花園大では1年春からベンチ入りし、1年秋から主力で出場。2年春はリーグ初優勝に貢献し、日本選手権に出場も初戦で関西国際大に敗戦。NTT西日本では、入社1年目の日本選手権で優秀選手を獲得。177センチ、76キロ。右投げ右打ち。