マルちゃん復活劇の幕が上がる。日本ハムのニック・マルティネス投手(29)が、23日楽天戦(楽天生命パーク)でレギュラーシーズンでは630日ぶりの先発マウンドに上がる。

昨季は右前腕など相次ぐ故障で1軍登板がなかった助っ人は「調子はいい。早くチームのために1勝したいという気持ちでいっぱいなので、試合に向けて非常に興奮している」と意気込んだ。

テレビなどを通じて観戦してくれるファンへ向けて、恩返しの快投を誓う。「1年目も、自分がケガをしていた2年目も熱心に応援してくださったファンの皆さまの声はずっと自分に届いていた。感謝の気持ちを投球を通して伝えたい」。コンディションは万全。練習試合でも順調に実戦登板を重ねてきた。あとは思いを体現するだけだ。

首脳陣が用意した復帰舞台も意気に感じている。異例の同一カード6連戦の初戦。カード全体の流れを決める可能性がある、重要な先陣を任された。「自分の中の意識としては、有原投手に次ぐ“第2のエース”なんだという気持ちでいい結果を残してチームに貢献したい」。18年の10勝右腕は自覚も気合も十分だ。

19日開幕戦の試合前には、チームを代表してスピーチした。異国で遭遇した未曽有の状況の中で野球ができることに「日本、日本人の力に感謝しています」と率直な思いを込めた。「チームの代表としてスピーチをさせていただいたこと自体が光栄だった」と気持ちも奮い立つ来日3年目。大好きな日本で華麗なカムバックを果たし、チームを3連勝に導く。【木下大輔】