矢野阪神が19試合ぶり、3度目の完封負けで勝率5割に逆戻りだ。

1週間前に土をつけたばかりの中日勝野らの前に今季最少タイの4安打。得点圏に3度走者を送ったが、好機で1本が出ず、本塁が遠かった。矢野監督も7回1失点と力投した先発西勇を見殺しにした0-1敗戦に厳しい表情を浮かべた。

矢野監督 ゼロじゃ勝てない。(勝野は)この前よりも球の力はあるかなと感じたけど。それでもゼロというのは。バッター陣に奮起してほしかった。

0行進の象徴は5番ボーアの下降線だ。2回の1打席目は147キロを仕留めきれず中飛に倒れると、4回は148キロに空振り三振。3番サンズの二塁打で1死二塁となった6回の第3打席は、フォークを引っかけて二ゴロと得点を生めず4の0に終わった。右臀部(でんぶ)の張りから5試合ぶりにスタメン復帰した24日から8打席無安打。故障の影響が大きいのか、本来のパワフルスイングが影を潜め、首脳陣も思案顔だ。

井上打撃コーチ ノープロブレムと本人は言っているけど、こちらとしてはもうちょっとかなという部分は持っている。(振りの)鈍さというか、体の中で本人にしか分からないけど、怖さ的なものがあったりして振れなかったり、グッと踏み込めなかったりというのはあるかもしれない。

開幕当初は元気の無かったB砲だが、7月1日の中日戦で岡田から来日初アーチを放つと、そこから5カード連続本塁打をマーク。一時はチームの3冠王に立つなど、最下位からAクラスに浮上するV字回復の立役者になった。攻守にハッスルプレーも見せるムードメーカーだったが、19日の中日戦から3試合欠場。23日広島戦の復帰打席こそ代打で四球を選んだが、乗れない日々が続いている。

前日「(体調は)100%ではない」としつつ、スタメン一塁にボーアの名前を書き込んだ矢野監督も「早く1本出ればいいけど」と祈る思いだ。矢野体制となった昨季から、ナゴヤドームは5勝11敗1分けと分が悪い。鬼門にしないために、首位巨人猛追するために、ボーアの復調は必要不可欠だ。【桝井聡】