チーム打率はリーグトップなのに…。広島が8安打2得点の拙攻でDeNAを相手に連敗を喫し、3日ぶりの最下位に転落した。

投手陣もチーム防御率リーグワーストと苦戦する中、打線も得点力不足が露呈している。借金は今季最多の6にふくらんだ。この日、プロ3年目の中村奨成捕手(21)が1軍初昇格。この日出番はなかったが、チーム活性の起爆剤として期待がかかる。

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ホームベースをなかなか踏むことができない…。リードオフマン西川、3番の首位打者堂林、主砲の鈴木誠を筆頭にチーム打率はセ・リーグトップの2割8分7厘。だが16安打6得点で残塁12に終わった24日のDeNA戦に続き、この日は8安打を放つも、得点は守備のミスによる2点のみ。10残塁と決定打を欠いた。

2度訪れた満塁機も無得点に終わった。まずは2点を追う2回、2死満塁から9番床田が空振り三振に倒れた。極め付きは4点を追う8回だ。鈴木誠が相手の失策で出塁。松山、ピレラと連打で続き、無死満塁と最大のチャンスが訪れた。しかし2番手エスコバーを相手に磯村が空振り三振。田中広のバットも空を切り、最後は代打長野が二ゴロに終わった。朝山打撃コーチは「三振では何も生まれない」と肩を落とした。

投手陣もチーム防御率はリーグワーストの4・77と苦戦が続いている。先発床田が5回3失点と精彩を欠き、2番手薮田1点ビハインドの6回に代打乙坂に痛恨の3ランを被弾。追い上げムードが後退した。多くの援護点が必要な状況なだけに朝山コーチは「投手が苦しいところで1点1点取っていこうとやっている。ヒットは出るが最後の1本が出ない」と嘆いた。

この日チームの大黒柱の大瀬良がコンディション不良により出場選手登録を抹消された。佐々岡監督は「痛いですけど、いるメンバーでやっていくしかない」と前を向いた。今こそ、チーム一丸で奮い立つ時だ。【古財稜明】