中日が9年ぶりの5カード連続勝ち越しを決めた。新助っ人ヤリエル・ロドリゲス投手(23)の快投と着実な得点で、DeNAに快勝。ロドリゲスは5回まで無安打に抑え、6回を2安打無失点で無傷の2勝目を挙げた。

8月2日に育成契約から支配下登録された右腕が、先発陣の一員として真夏の快進撃を支える。

   ◇   ◇   ◇

動じる気配はなかった。6回、先頭の戸柱に初安打を許す。1死から代打中井に右前に落とされ、一、二塁となっても、ロドリゲスは落ち着いていた。梶谷をこの試合3つ目となる併殺に仕留め、6回を投げきった。2安打2四球無失点。チームの9年ぶり5カード勝ち越しに貢献した。

「今日は自慢のコントロールがよくなかったが、勝つことができてよかった。チームが勝ってとてもうれしい」。本拠地ナゴヤドームで初のお立ち台。緊張しつつも、笑顔で答えた。

デビューから快投が続く。9日巨人戦は6回1/3を2失点。前回登板の15日巨人戦では、7回1失点で初勝利を飾った。デビュー以降にチームのカード勝ち越しが始まり、8勝3敗1分け。プレーボールの際にはマウンドで瞑想(めいそう)する。「いつもこうやって神様に祈っている。今日はいい当たりも正面に飛んだ。運もよかった」と振り返ったが、チームにも勝利の女神を連れてきた。

初勝利の試合に続き、バッテリーを組んだ郡司裕也捕手の存在も大きい。ボール先行の苦しい立ち上がり。「2軍の時からバッテリーを組ませてもらっていたので、ここに構えたらストライクが来る、この球種の後はこのボールのストライクの確率が高いなどの経験が生かせました」と郡司。スタメンマスクで6連勝の新人捕手が、好アシストした。

頼もしい新戦力の台頭でリーグ連覇した11年以来の5カード連続勝ち越し。借金も2まで減らし、2位DeNAに2ゲーム差と射程圏にとらえた。与田剛監督は「そう欲張らず、毎日試合に集中していかないといけない」と慎重ながら、試合後のインタビューでは「明日はエースの大野が投げます。素晴らしいピッチングを見せてくれると思います!」とファンに約束。真夏の反抗劇は終わらないことを宣言した。【安藤宏樹】

◆ヤリエル・ロドリゲス 1997年3月10日、キューバ生まれ。19年のプレミア12キューバ代表。今年1月に育成契約し、2軍で5試合に投げ17回2/3、自責点1で防御率0・51。今月3日に支配下選手登録。キューバ国内リーグ出身で、海外プロ経験がないため新人王資格を持つ。186センチ、97キロ。右投げ右打ち。

▼中日がDeNAに2連勝。これで8月7日の巨人戦から5カード連続で勝ち越しとなった。5カード連続勝ち越しは、11年9月9日の横浜戦から10月6日の広島戦まで8カード連続で勝ち越して以来。

▽中日アルモンテ(2回に適時打、3回に右翼守備で好捕を見せ) 守備でもチームに貢献できてうれしい。今日はチームが勝ったし、それが1番うれしいよ。

▽中日大島(先制、ダメ押しを呼ぶ3安打) 自分が出塁したことによって得点になってくれているので良かったですし、引き続き頑張ります。