連勝で貯金1とした日本ハムの立役者は、松本剛外野手(27)だった。試合後には清宮とともにヒーローインタビューを受け「何で僕がヒーローなんだろう…」と謙遜したが、誰も異論はない。0-0で迎えた6回1死で中前打で出塁して先制点の起点となり、7回には2点適時三塁打。2試合連続でスタメン起用された男の活躍は、際立っていた。

同期入団の同学年で外野レギュラーの近藤が右ふくらはぎの打撲で連日の欠場。そんな中で、穴を埋めるように22日の3安打2得点に続いて勝利に貢献した。

松本 コンちゃん(近藤)の代わりは、できるものではないと自負しているので。でも、レギュラー陣にアクシデントが起きた時に行ける準備は、僕を含め、後ろで行く選手はみんな、それを考えてやっている。

立ち位置は外野手の控えだが、気持ちは常に前向きだ。ベンチで控えていても「試合の流れを自分なりに読む」。常に集中を高め、心の準備ができているから、好結果を呼ぶ。11試合目となったスタメン出場時の打率は、3割9分5厘。8月はスタメン起用された8試合全てで安打を記録している。

松本 今は『楽しくやる』と自分の中で決めている。結果を求めないといけないけど、野球を楽しむということを絶対に忘れない。

元気に明るく、そして自らの仕事を果たすべく準備も怠らない。チームは昨年8月は、5勝20敗1分けと苦しんだが、今季は11勝7敗1分けと好調。上げ潮ムードを生んでいるのは、自己表現の術を確立し、主力にもなれる最強のバイプレーヤーの存在なくして、語れない。【木下大輔】

▽日本ハム栗山監督(2番起用の松本が連日の活躍)「それがゴウの特長なので。自分のことより、チームのために何ができるかというところからスタートする選手」

 

◆松本剛(まつもと・ごう)1993年(平5)8月11日、埼玉県川口市生まれ。帝京では09年夏、10年春、11年夏に甲子園出場。11年ドラフト2位で日本ハム入団。13年10月4日ソフトバンク戦で初出場。17年アジアプロ野球チャンピオンシップ日本代表。今季推定年俸1800万円。180センチ、82キロ。右投げ右打ち。